access_time2019年10月7日
連帯保証人には極度額設定が必要になります
2020年4月1日に民法が改正される予定となりました。
賃貸借契約では意思能力に関するルールや敷金精算、通常損耗、経年劣化についての原状回復義務不要の「明文化」などが関わってきますが、今回は連帯保証人に関する極度額設定についてご紹介します。
■ 限度額とはなんでしょうか
連帯保証人が支払う金額の上限の事をいいます。内容としては未払い家賃だけでなく、駐車場料金・更新料、原状回復費用として残置物撤去費、修繕費、違約金等も含まれます。
これらの費用をまとめて「負担総額」といいます。
■ 今回の改正で何が変わるのでしょうか?
「極度額」を定めていない契約は無効になります。
「極度額」より「負担総額」が大きい場合の差額は保証されません。
【対策】極度額の設定は、賃料帯や、負担総額によって異なるため、貸主及び連帯保証人等の関係当事者間でしっかりと協議を行いましょう。
【国土交通省より極度額設定の為の参考資料が公表されています。(参考資料抜粋)】
平成9年11月~平成28年10月までの裁判所の判決で、連帯保証人の負担として確定
した額(負担総額)は、平均で家賃の約13.2か月分でした。
また、保証会社を利用した場合の負担総額は賃料帯別で下記の通りでした。
【賃料帯別に以下の8つに設定した「保証会社の負担総額」平均値】
①4万円未満 … 17.7万円
②4万円~8万円未満 … 28.2万円
③8万円~12万円未満 … 50万円
④12万円~16万円未満 … 71.2万円
⑤16万円~20万円未満 … 97.3万円
⑥20万円~30万円未満 … 126.2万円
⑦30万円~40万円未満 … 156.8万円
⑧40万円以上 … 437.3万円
【(公財)日本賃貸住宅管理協会・日管協総合研究所による賃貸住宅市場景況感調査】
「日管協短観」による家賃滞納発生率は平均で7.5%。そのため賃借人100人のうち7~8人は滞納リスクがあります。
近年、賃貸住宅の新規契約の約6割が保証会社を利用していますが、連帯保証人を設定の場合、極度額の設定が義務化されます。
賃貸経営者は借主債務保証をどのように行うのか、極度額設定をどうするのかについて、今後の賃貸業界の動きにも注視しておきましょう。動きがあり次第、今後も随時お伝えします。
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